IP電話でビジネスの通話料を削減|法人向けに最大50%コストダウンする方法¶
法人の通信費において、通話料は毎月の固定支出として大きな割合を占めます。大手キャリアの標準通話料は22円/30秒ですが、IP電話を活用すれば10〜11円/30秒程度まで約50%削減可能です。本記事では、ビジネス向けIP電話サービスの料金比較、業種別の最適な選び方、導入時の注意点まで具体的なデータとともに解説します。
ビジネスの通話料はIP電話でどこまで削減できるか¶
大手キャリアの標準通話料とIP電話の差額¶
ドコモ・au・ソフトバンクの大手3キャリアは、プランによりますが標準で22円/30秒(税込24.2円)の通話料を設定しています。一方、IP電話サービスの多くは10〜11円/30秒(税込11〜12.1円)で通話を提供しており、30秒あたり約11〜13円の差が生じます。
| 項目 | 大手キャリア(標準) | IP電話(代表例) | 差額(30秒あたり) |
|---|---|---|---|
| 通話料 | 22円/30秒 | 10〜11円/30秒 | 約11〜12円 |
| 1分間の通話料 | 44円 | 20〜22円 | 約22〜24円 |
| 5分間の通話料 | 220円 | 100〜110円 | 約110〜120円 |
この差は1回の通話では小さく見えますが、営業電話やカスタマーサポートなどで毎日複数回の発信がある企業では、月間で数千円〜数万円の削減につながります。
IP電話の通話料についてより詳しい料金比較は、「IP電話の通話料はどれくらい安い?大手キャリアとの料金比較まとめ」で解説しています。
通話量別の月間削減シミュレーション¶
通話パターン別に、月間の削減額を試算します。以下はIP電話の通話料を11円/30秒として計算した例です。
【短時間高頻度パターン】営業担当者(1日20回・平均3分/回)
| 項目 | 大手キャリア | IP電話 | 月間削減額 |
|---|---|---|---|
| 1日あたり通話料 | 2,640円 | 1,320円 | 1,320円 |
| 月間(20営業日) | 52,800円 | 26,400円 | 26,400円 |
【長時間低頻度パターン】カスタマーサポート(1日5回・平均15分/回)
| 項目 | 大手キャリア | IP電話 | 月間削減額 |
|---|---|---|---|
| 1日あたり通話料 | 3,300円 | 1,650円 | 1,650円 |
| 月間(20営業日) | 66,000円 | 33,000円 | 33,000円 |
【少通話パターン】管理部門(1日5回・平均1分/回)
| 項目 | 大手キャリア | IP電話 | 月間削減額 |
|---|---|---|---|
| 1日あたり通話料 | 220円 | 110円 | 110円 |
| 月間(20営業日) | 4,400円 | 2,200円 | 2,200円 |
利用パターン別のより詳しいシミュレーションは、「IP電話の月額料 節約シミュレーション|利用パターン別に月額削減額を計算」で確認できます。
このように、通話量が多い企業ほど削減効果は大きくなります。営業部門が5名程度の中規模企業であれば、月間10万円以上の削減も現実的な数値です。
ビジネス向けIP電話サービスの料金比較¶
従量制サービスの通話料比較¶
従量制のIP電話サービスは、月額基本料が不要で通話した分だけ支払う仕組みです。ビジネス利用で検討すべき主なサービスを比較します。
| サービス名 | 月額基本料 | 通話料(30秒あたり) | 対象キャリア | 特記事項 |
|---|---|---|---|---|
| 楽天でんわ | 0円 | 10円(税込11円) | ドコモ・au・ソフトバンク・楽天モバイル | 全キャリア対応、アプリインストールのみで利用可能 |
| 050plus | 330円(税込363円) | 10円(税込11円) | ドコモ回線(他キャリアも利用可) | 050番号付与、SMS送信可 |
| LINEOut | 0円(無料通話分あり) | 約14円〜 | LINEアカウントが必要 | 相手もLINEユーザーなら無料 |
| BB.exciteでんわ | 0円 | 公式ページ要確認 | 0037接続サービス | ※料金は最新公式ページでご確認ください |
※BB.exciteでんわ等の0037サービスの料金は、公開時点でアクセス確認ができなかったため、実際の金額は各サービスの最新公式ページでご確認ください。
楽天でんわは、月額基本料0円かつ全キャリア対応という点で、まずは試してみるビジネス向けサービスとして最も手軽です。既存のスマートフォンにアプリをインストールするだけで利用開始でき、導入コストもゼロです。
050plusは、月額330円(税込363円)がかかりますが、050から始まるIP電話番号が付与されるため、発信番号としてビジネスで使いやすく、名刺や署名欄への記載も可能です。SMS送信機能もあるため、顧客への短い連絡にも活用できます。
IP電話で通話料を節約する基本的なアプローチは、「IP電話で通話料を節約する方法まとめ|用途別に最適なアプローチを解説」で網羅的に解説しています。
かけ放題プランの料金とビジネス適性¶
通話頻度が高い企業には、かけ放題プランの検討も有効です。ただし、ビジネス利用においては上限の条件に注意が必要です。
| プラン名 | 月額料 | 対象通話 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 楽天でんわ かけ放題 | 1,078円(税込) | 国内携帯・固定電話への発信 | 月間500分まで・1回最大120分 |
| 050plus かけ放題オプション | 880円(税込968円) | 050plus発信の国内通話 | 1回最大120分の制限あり |
| 各キャリアの定額通話オプション | 1,870円〜2,200円程度 | 自キャリア発信のみ | キャリア専用のため他社回線は対象外 |
ビジネス利用におけるかけ放題の注意点:
- 月間500分の上限:1日約25分(月20営業日換算)が目安。営業電話で1日に60分以上通話する担当者には不足する可能性があります
- 1回最大120分の制限:カスタマーサポート等で1件の通話が長時間に及ぶ場合、120分を超えると通常通話料が適用されます
- 複数回線での適用範囲:かけ放題プランは基本的に1回線(1端末)あたりの契約となるため、複数担当者分は別途契約が必要です
かけ放題プランの詳しい比較は、「IP電話のかけ放題プラン比較|通話料を最大限に節約する選び方と料金まとめ」を参照してください。
月額基本料ゼロのサービスと月額課金型の違い¶
IP電話サービスは大きく分けて「月額基本料ゼロ・従量課金」と「月額課金・通話料割引(またはかけ放題付き)」の2つの料金モデルがあります。
月額基本料ゼロ型(従量課金) - 代表例:楽天でんわ - メリット:通話しなかった月は費用ゼロ。導入ハードルが最も低い - 向いている企業:通話頻度が低め、または月による通話量の波が大きい企業 - 注意点:通話料単価は固定のため、大量通話時の割引はない
月額課金型(基本料+通話料またはかけ放題) - 代表例:050plus(月額330円+通話料)、各種かけ放題オプション - メリット:050番号の取得、SMS機能、かけ放題との組み合わせで月額コストの予測がしやすい - 向いている企業:毎月一定の通話量がある企業、発信番号を統一したい法人 - 注意点:通話量が少ない月でも月額料が発生する
ビジネスでの選び方の目安として、月間の通話時間が月額料を上回る削減額を生むかどうかが判断基準になります。例えば、月額330円のサービスを利用する場合、月間330円以上の削減(大手キャリアとの差額で約25分以上の通話)が見込めれば月額課金型でもメリットがあります。
業種・用途別に見る最適なIP電話の選び方¶
営業電話が多い企業向けプラン¶
不動産業、保険代理店、IT企業の営業部門など、1日に数十件の電話をかける業種では、通話料の削減効果が最も大きくなります。
推奨プラン構成:
- ベース:楽天でんわ(月額0円)で全発信をIP電話経由に統一
- 上乗せ:かけ放題オプション(月額1,078円)を追加し、月間500分以内の通話を定額化
- 計算例:月間400分の通話がある営業担当者の場合 - 大手キャリア標準:400分×44円=17,600円/月 - 楽天でんわかけ放題:1,078円/月 - 月間削減額:約16,500円
営業担当者が5名いれば、月間約8万円の削減が見込めます。
カスタマーサポートなど長時間通話向けプラン¶
コールセンター、医療機関の予約受付、塾やスクールの問い合わせ対応など、1回の通話が長くなる用途では、かけ放題プランの1回120分上限に注意が必要です。
推奨プラン構成:
- ベース:050plus(月額330円+通話料11円/30秒)で050番号を取得し、顧客からの認知度を高める
- 長時間通話時:1回の通話が120分を超える場合は、かけ放題ではなく従量制での利用が安全
- 計算例:月間300分の通話(平均15分/回・20回)の場合 - 大手キャリア標準:300分×44円=13,200円/月 - 050plus従量制:363円+300分×22円=6,963円/月 - 月間削減額:約6,200円
長時間通話が中心の場合は、かけ放題の上限リスクを避けるため従量制で確実な削減を狙うのが堅実なアプローチです。
少ない通話でも削減できる従量制の活用法¶
管理部門やバックオフィスなど、1日に数回程度の短い通話しかない部署でも、月額基本料ゼロのサービスであれば確実な削減が可能です。
推奨プラン構成:
- 楽天でんわ(月額0円・従量制)を導入
- 月間の通話が10分程度でも、月間約220円の削減
- 社員10名で導入すれば、月間約2,200円の削減
通話量が少ない場合は、月額基本料が発生するサービス(050plus等)はコストに見合わない可能性があるため、まずは月額ゼロのサービスから始めるのが適しています。
自社の通話パターンを分析し、最もコスト効率の良いサービス組み合わせを検討してみましょう。 次のセクションでは、導入時に注意すべきポイントを解説します。
ビジネスでIP電話を導入する際の注意点¶
1回あたりの通話時間上限と月間通話上限¶
ビジネスでかけ放題プランを利用する際、最も注意すべきなのが通話時間の上限です。
| 制限の種類 | よくある上限値 | ビジネスへの影響 |
|---|---|---|
| 1回あたりの上限 | 120分(2時間) | 長時間の打ち合わせやサポート対応で超過する可能性 |
| 月間通話上限 | 500分(約8時間) | 営業担当者が1日60分通話すると約8営業日で到達 |
| 超過後の料金 | 通常通話料に戻る | 超過後に気づかず標準料金で通話し続けるリスク |
月間500分は、月20営業日で1日あたり25分に相当します。営業電話で1日1時間以上通話する担当者には、月半ばで上限に達してしまうため、かけ放題だけに頼る運用は推奨できません。
対策として、以下の運用が考えられます。
- 通話時間を定期的にモニタリングし、上限に近づいたら従量制アプリに切り替える
- 営業部門(高頻度)と管理部門(低頻度)でプランを使い分ける
- 月間の通話実績から、かけ放題が本当に安くなるか年間ベースで試算する
複数回線・複数端末での運用¶
法人では複数の従業員がそれぞれのスマートフォンでIP電話を利用するケースが一般的です。この場合、以下の点に留意してください。
- かけ放題は1端末(1契約)あたりの適用:10名の従業員にかけ放題を提供するには、10回分の月額料が必要
- 従量制サービスは端末ごとにアプリのインストールと設定が必要:管理者が一括で設定できない場合、各従業員の対応が必要
- 通話料の集計と経費精算:従量制の場合、各端末ごとの利用明細を確認し、経費として計上する運用フローの設計が必要
- 法人向け一括契約の有無:楽天でんわや050plusは個人契約が前提のサービスのため、大規模導入時は法人向けクラウドPBXやビジネスフォンサービスの検討も視野に入れるべきです
既存電話番号の継続利用について¶
IP電話に切り替える際、既存の電話番号をそのまま使えるかは重要なポイントです。
- 090/080/070の携帯番号:IP電話アプリ経由の発信では、楽天でんわなどは元の携帯番号が相手に表示されます(設定による)。050plusは050番号が表示されます
- 050番号の新規取得:050plusなどの050番号付与サービスでは、新しい050番号が発行されます。この番号は名刺やWebサイトに記載可能です
- 固定電話番号(03など)の継続:固定電話番号をIP電話で引き継ぐには、着信転送サービスやクラウドPBXなど別の仕組みが必要です
固定電話からの切り替え手順の詳細は別記事で解説しています。本記事ではスマートフォン・携帯電話でのIP電話利用に焦点を当てます。
IP電話導入で通話料削減を実現するステップ¶
現状の通話料を把握する¶
まずは現状の通話料を正確に把握します。以下のデータを収集してください。
- 携帯電話キャリアの月間通話料明細:過去3〜6ヶ月分を確認し、月間の平均通話料と通話時間を把握する
- 部門別・担当者別の通話量:営業部門と管理部門で通話量に大きな差がある場合は、部署ごとに最適なプランが異なる
- 通話パターンの分析:短時間の通話が多いか、長時間の通話が多いか。1日の通話回数と平均通話時間を確認
- 現在の通話料体系の確認:すでにキャリアの通話定額オプションに加入している場合は、その月額料との比較も必要
削減額の具体的な計算方法は、「IP電話の月額料 節約シミュレーション|利用パターン別に月額削減額を計算」で確認できます。
自社の通話パターンに合うサービスを選ぶ¶
収集したデータをもとに、自社に最適なサービスを選びます。
| 通話パターン | 推奨サービス | 月額コスト目安 |
|---|---|---|
| 月間500分以上の高頻度営業 | 楽天でんわ+かけ放題オプション | 1,078円/月 |
| 月間100〜500分の中頻度 | 楽天でんわ(従量制)または050plus | 0〜363円/月+通話料 |
| 月間100分未満の低頻度 | 楽天でんわ(従量制のみ) | 0円/月+通話料 |
複数のプランを組み合わせる「ハイブリッド運用」も有効です。例えば、営業部門にはかけ放題プラン、管理部門には従量制という使い分けで、全体のコストを最適化できます。
IP電話の通話料比較の詳細は、「IP電話の通話料はどれくらい安い?大手キャリアとの料金比較まとめ」を参照してください。WiFi環境も活用したい場合は、「IP電話×WiFi通話で節約|通信費をさらに下げる仕組みと対象サービスまとめ」もあわせてご覧ください。
試験導入から本格運用への移行¶
いきなり全社導入するのではなく、以下のステップで進めることでリスクを最小化できます。
-
1部門での試験導入(1〜2ヶ月) - 営業部門の1チーム(3〜5名程度)でIP電話アプリを導入 - 既存の通話方法と併用し、使い勝手と通話品質を確認 - 月間の通話料を比較し、実際の削減額を検証
-
課題の洗い出しと運用ルールの策定 - 通話品質に問題がないか(圏外や遅延の発生頻度) - 社内での使い方の周知(アプリ経由で発信する手順の統一) - 経費精算フローの整備(明細の取得方法と計上ルール)
-
全社展開 - 試験導入の結果をもとに、全部門へ展開 - 部門ごとに最適なプラン(従量制orかけ放題)を割り当て - 四半期ごとに通話料をモニタリングし、プランの見直しを実施
ビジネスの通話料削減は、IP電話の導入によって確実に実現できます。まずは月額基本料ゼロの楽天でんわを一部門で試験導入し、実際の削減効果を確認することから始めてみましょう。050番号が必要な法人には050plusも選択肢です。以下のリンクから各サービスの公式ページを確認し、自社に最適なプランの比較検討を始めてください。
- 楽天でんわ 公式ページ
- 050plus 公式ページ
- [IP電話のかけ放題プラン比較|通話料を最大限に節約する選び方と料金まとめ]